光ることを忘れた太陽。

「何?読書時間だよ?」


「……ダメ」


へ?


ダ、ダメってどういうこと?



「な、何が?」


「咲希には読書させねーよ」


そんなに甘い口調で言われても、よくわかんないよ。



私だけ読書できないの?


尚から、いつもとは違う雰囲気が漂っている。


小声で喋っているから、周りの人は誰も気づいてないみたい。



「尚、どういう……っ」


私が言いかけると、尚は自分の人差し指を私の唇につけた。



「……っ//」


顔が熱くなっていく感じがする。


きっと今の私、顔真っ赤だよ。


もうっ!尚がそんなことするから!



「……今、照れた?」


耳元で囁かれる。


そんなに甘い声、出るんだ……。
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