光ることを忘れた太陽。
助けと甘い時間
《尚也side》
ボンッ。
次々と決めていくシュート。
俺の額から流れ落ちる汗。
雫が輝き、床にしたたり落ちる。
それと同時に。
「きゃーっ!!」
と、湧き上がる叫び声。
でも、俺の耳に入ってくるのは─────1人の声だけだ。
「尚ー!その調子で頑張って!」
そう、咲希の応援の声だけ。
咲希が応援してくれるから、力になるんだ。
今はバスケの試合中。
学校の体育の授業でバスケをすることになった俺達。
男女混合のチームにふり分けられ、練習する。
体育は得意だから嬉しかったけど、もっと嬉しいことがある。
それは、咲希に応援してもらえること。
俺と咲希のチームは違うけど、そのおかげで応援してもらえる。
俺はそれだけで力が出るんだ。
単純だけどな。