光ることを忘れた太陽。

「ほら、保健室行こう?」


「……ん」


結局、咲希の押しに負けて保健室へ行くことになった。



頼りたくなかったんだけどな。


咲希は優しすぎるんだよ。



いつもあんなに意地悪してるのに。


咲希に感謝してもらえることなんて、1つもしたことがないのに。


なんで咲希はそんな俺に、そこまで優しくするんだよ……。




「先生に言ってくるから待っててね」


好きな人に運んでもらうとか、本当に情けねぇ……。



「藤野先生ーっ」


「波口さん、どうしたの?」


どうやら、咲希は先生のところに報告しに行ったらしい。


どこまでもお人好しだよな。



「尚が怪我したみたいなので、保健室に連れて行きますね!」


「あ、よろしくー」


ちゃんと了承も得てやがるし……。


先生も、そんな咲希だから任せたんだろうな。
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