光ることを忘れた太陽。

「周りの人の声大きかったから、届いてないと思ってた……」


「……っ//」


咲希は、ホッとした様子でそうこぼした。


そんなに可愛い顔すんな……。


俺といるときに顔真っ赤とか、期待しちまうから。



「……咲希の声しか聞こえてねーよ」


「え?」


俺の心の声が外に漏れていたみたいだ。


ボソリと呟いたにも関わらず届いていたらしい。



「俺の心に届くのは、咲希の声だけだから」


「あ、ありがとう!」



咲希の満面の笑み。


俺は、毎日咲希に会えて、その笑顔を見られるだけで幸せなのに。


今みたいに独占できるなんてな。




こんな時間、2度とないかもしれない。


覚えていたいと思うのは、俺だけかもしれない。


それでも俺は、心に焼きつけておくんだ。


咲希との思い出としてな。
< 42 / 301 >

この作品をシェア

pagetop