光ることを忘れた太陽。
「周りの人の声大きかったから、届いてないと思ってた……」
「……っ//」
咲希は、ホッとした様子でそうこぼした。
そんなに可愛い顔すんな……。
俺といるときに顔真っ赤とか、期待しちまうから。
「……咲希の声しか聞こえてねーよ」
「え?」
俺の心の声が外に漏れていたみたいだ。
ボソリと呟いたにも関わらず届いていたらしい。
「俺の心に届くのは、咲希の声だけだから」
「あ、ありがとう!」
咲希の満面の笑み。
俺は、毎日咲希に会えて、その笑顔を見られるだけで幸せなのに。
今みたいに独占できるなんてな。
こんな時間、2度とないかもしれない。
覚えていたいと思うのは、俺だけかもしれない。
それでも俺は、心に焼きつけておくんだ。
咲希との思い出としてな。