光ることを忘れた太陽。

「俺のそばにいろよ」


こんなことを口走っているなんて。



戸惑った様子の咲希。


俺も反省して、謝ろうとしたときだった。



「……うん」


え?今の「うん」って……。


俺のそばにいてくれるってこと?



そして咲希は繋いだ手をギュッと握りしめて。


「どうしたの?」



無意識だと思うけど、甘い声でそう言ってきた。


しかも上目遣いで。



そんな咲希の仕草に、俺は耐えられなくなった。


ダメだっていうのはわかってた。


でも、どうしても止められなかったんだ。



気がついたときには、咲希を後ろから抱きしめていた。


「……っ///」


赤く染まった咲希の顔。



そして俺は、そのまま咲希の耳元に顔を持っていき。


「咲希」


と、耳元で囁いた。


自分でも、かなりの甘い声が出たと思う。
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