光ることを忘れた太陽。

「な、何……?」


動揺してるのか、咲希の声は少し震えている。



「……緊張してる?」


俺が知ってる限り、咲希に彼氏がいたことはない。


もちろん俺も、今まで付き合ったことはないし。



もしかしたら咲希は初めて抱きしめられたのかも……。


とか思ってみたり。


もちろんそれは俺の願望だけど。



「ち、違うもん……っ///」


と、動揺を隠しながら言う咲希。



嘘だってバレバレだし。


心の中で突っ込む。


でもそう言うなら、意地悪しちゃおうかな。



「じゃあ、もっとすごいことしてもいい?」


「すごいことって?」


今度はすぐに声が返ってきた。


そして俺はニヤリと笑い、今朝のように咲希の唇に指で触れた。
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