光ることを忘れた太陽。
「キ、ス、とか」
「ひゃっ///」
咲希の可愛い声が返ってきた。
小さくうずくまってる咲希。
あー、楽しい。
「嘘だって。ほら、戻るぞ」
「……う、うんっ//」
そのまま俺は咲希の手を引いて歩き始めた。
咲希は黙って俺に手を引かれるまま。
さっきのこと、まだ気にしてんのかな?
「咲希」
「ん?」
またそう呼ぶと、今度は普段と変わらない声だ。
「なんでもねーよ、バーカ」
振り返った咲希も可愛くて。
思ってもない言葉を言い放ってしまった。
「もうっ!尚のバカ!」
言い返した咲希の歩くペースが速くなる。
でも、口元は笑っているから安心した。
どうやら、いつもの咲希に戻ったみたいだ。