光ることを忘れた太陽。
そのまま俺達は体育館に入った。
すると、周りからの視線を感じる。
何かあるのか……?
別に普通のことなのに、と思いながら心当たりがないか探すと。
「あ、ごめ……」
「ごめんっ!!」
咲希はいきなりそう言って俺の手を離した。
視線の原因って、繋いだままの手のことだったのか。
そして俺は、そのまま先生のところへ行って報告しに行った。
もちろん、それ以降は見学。
黙ってみんなを見てるだけで、体育の授業は終わりを迎えた。
その後、隼や井上にしつこく問い詰められたけど、咲希と一緒に教室を逃げ回った。
結局、咲希との距離は縮まったのかわからないけど。
久しぶりに2人で話せたことが嬉しかった。
それに、咲希のあんな声を聞けるなんて……。
って、また言ったら怒るだろうからやめとくか。
こうして今日は、俺と咲希2人だけの秘密の時間となったんだ。