光ることを忘れた太陽。
3章
少しの勇気
だんだん日が落ちる時間も遅くなり、春が近づいてきた気がする。
学校から外を見下ろせば、雪も少し溶け始めてる。
今は2月上旬。
ちょうど節分が終わった時期だ。
だから男子も女子も、話題はバレンタインで持ちきり。
「もうすぐバレンタインデーだな」
と、俺の隣で呟く隼。
「バレンタインか……」
咲希も作ったりすんのかな?
それで、誰かに渡したりするんだよな。
どうせ、俺は貰えないんだ。
考えが悪い方向ばかりに行っちまう。
心臓が、苦しい……。
すると、隼が突然。
「尚くーん?咲希のこと考えてるだろ」
俺の心を見透かしたようにそう言った。
さすが隼だな。
俺の考えてることが分かるなんて。