光ることを忘れた太陽。
「もう少しポジティブに考えねーと、気がもたねーぞ?」
口調は荒いけど、隼からはあたたかいものを感じる。
俺は、それも隼の優しさだってことを知ってる。
だって、6年間の付き合いだからな。
「……仕方ないから、聞いてみるか」
単純かもしれないけど、そう言って立ち上がる。
その俺の様子を見て納得したのか、隼はゆっくりと首を縦に振った。
「頑張れよ」
隼の言葉って、こんなに心に響いたっけ?
きっと隼にも好きな人がいるんだな。
俺は井上だと思ってるけど。
隼は、俺が後悔しないように言ってくれてるんだ。
これも全部が隼の優しさ。
俺は少し微笑みながら、咲希の方へ向かった。