光ることを忘れた太陽。
咲希は井上と話している途中だった。
少し聞き耳を立てていると、2人の会話が聞こえてきた。
「そういえば、咲希はバレンタイン誰かに渡さないの?」
井上、グッドタイミング!
まるで俺が聞いてることを知ってるかのように、ちょうどいい質問をする。
「……え、バレンタイン?もうそんな時期だっけ?」
おいおい……。
男の俺でも覚えてんのに、咲希が忘れてたうするんだよ。
と、心の中で突っ込む。
「そうよ。作ったりはしないの?」
「うーん……。作ってみようかな」
咲希の手作り!?
食べたい……。
無性に欲しくてたまんねぇ。
そんな欲が心の中を支配する。