光ることを忘れた太陽。
「尚、いいのか?このまま誤解されたままで」
隼は小声でそう言う。
そんなの、いいはずがない。
誤解されたままなんて嫌だ。
咲希に勘違いされるのは、もっと。
そう思った俺は、気がついたら咲希の前に立っていた。
そして、こんなことを口走るなんて。
「俺にくれよ、チョコ」
「えっ?」
突然現れた俺に驚いた様子の咲希。
それとも、驚いてるのは内容か?
どっちにしても。
「咲希が作ってくれるチョコが食べたいんだけど」
俺の中では、この言い方でも頑張ったつもり。
咲希になんて言われようと、俺はここまで勇気を出して言ったんだからな。
たとえ小さな勇気でも。