光ることを忘れた太陽。
「うん、尚にチョコ作ってあげる!」
咲希はそう言って、満面の笑みを見せてくれた。
その言葉だけで俺の気持ちは高鳴る。
「じゃあ、約束だぞ」
「うんっ!」
元気にそう返事をする咲希。
俺に言われたのが嬉しかったのか?
そうだといいな。
俺の中でまた淡い期待が生まれる。
咲希は、鼻歌混じりに井上と歩いていく。
その姿を見て俺まで笑顔になる。
「……良かったな」
隼はそれだけ言い残すと、自分の席へ戻っていった。
咲希からのチョコ、楽しみだな。
そう思いながら俺も席に着いて、まだ先の未来への想像をふくらませた─────。