光ることを忘れた太陽。

でも、学校が楽しくなった理由はそれだけじゃなかったの。


……初めて好きな人ができたから。


その相手が隼人だった。



隼人はクールで、いつ見ても落ち着いていて、目を奪われたの。



咲希や尚也くんと話してるときの、意地悪な隼人も。


たまに見せてくれる笑顔も。


毒舌な言葉の裏に隠された優しさも。


その隼人の全部を好きになったの。




好きになってからは、楽しいことばかりじゃなかった。


苦しくなって、何度も諦めそうになった。


それでも励ましてくれる人がいたの。



それが尚也くん。


尚也くんは咲希のことが好き。


それは、1年生のときからずっと変わらないみたい。



隼人と咲希と尚也くんは6年間同じクラスで、正直あたしには羨ましかった。


そんな風に思い出を語り合えるような友達なんて、いなかったから。
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