光ることを忘れた太陽。

今までの喜怒哀楽。


隼人に振り回されてきた学校生活も、今日で終わりにするの。


そんな意味を込めて、このチョコを作ってきた。



もしも、これを受け取ってもらえなかったら……。


あたしは失恋したことになる。



でも、もしも受け取ってもらえたら……?


あたしと隼人の距離はどうなるのかしら?


少しでも、縮まるの?




「おい」


思わず私の肩が上がる。


だってそこには─────隼人がいたから。


本当に来てくれたのね。



「話って、何」


無愛想にそう言う隼人が、なんだか微笑ましかった。



正直、あたしも隼人の考えがよく分からない。


でも今日は、あたしの想いを伝えに来たの。


そう思って、ゆっくり深呼吸をする。
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