光ることを忘れた太陽。

「ねぇ、好き」


どんなに心の中で呟いても、届かなかったあなたが。


今こんなに近くで。



「ああ。俺も好き」


そんなことを言ってくれるんだから。


あたしはきっと、幸せ者よね。




ねぇ、隼人。


あたしを選んでくれてありがとう。


そのままあたし達は、しばらく抱き合っていた。



そして、次の瞬間─────。


拍手の音とともに、咲希が抱きついてきた。




「光梨っ!!」


顔を見れば、咲希も泣いていて。



きっと一部始終を見てたのよね。


そして、あたしのために涙を流してくれた。



「おめでとう……っ」


涙混じりに言う咲希。


あたしは本当にいい友達を持ったわね。


咲希は、あたしの自慢の友達よ。
< 76 / 301 >

この作品をシェア

pagetop