光ることを忘れた太陽。
そんな風に少し憂鬱な気分になりながらも、俺達は学校へ向かった。
その間も普段のように当たり障りのない話をしながら。
咲希が楽しそうに笑う姿が可愛くて、つられて俺も笑顔になった。
やっぱり、咲希の笑顔には人を幸せな気持ちにさせる力があるんじゃねーか?
そう思うくらい、咲希と過ごす時間は楽しかった。
そのせいか、あっという間に時間が過ぎていった。
そして、そのまま学校に辿り着いた。
学校に着いて1時間目から、さっそく卒業コンサート─────卒コンの話が始まった。
日時は卒業式の4日前。
俺達は器楽演奏をしたり、歌を歌ったりするらしい。
そして、途中で親と一緒にするコーナーがあって。
そこでは親と子供が協力しなきゃいけないらしい。
それを聞いて、俺はふと思った。
俺の母さんが来るわけねーだろ……。
俺には無関心なのに。