光ることを忘れた太陽。
今朝だって、毎日そうだ。
俺の家は、母さんと父さんと兄ちゃんの4人家族。
父さんは単身赴任中でたまにしか帰ってこない。
そのせいか、母さんはお酒ばかり飲むようになった。
兄ちゃんはそんなこと知らないんだろうけど、俺にはやつあたりするんだ。
そんなの小さい頃からの慣れっ子だけど。
こういう行事がある度に思う。
なんで俺の家は誰も来ないんだろう、って。
まぁ、こんな深いことを考えてても、何かが変わるわけじゃない。
今は気持ちを切り替えなきゃ。
せっかく……隣に咲希もいるんだから。
ふと咲希の方に目をやると、咲希と目が合った。
そして咲希はフワッと笑うんだ。
昔から、俺と接するときに距離を置かないで話してくれるのは、咲希と隼だけだった。
井上は、友達……なのかよくわかんねーからな。