光ることを忘れた太陽。


そんなことを考えてたけど、次の日から卒コンの練習が始まった。



卒コンは、俺達の最後の行事になるんだな。


卒業したらこの校舎とも、この仲間ともお別れ、か……。



だから、それまでは悔いのないように楽しく過ごそう。


それができれば俺はいいんだ。



…親なんて来なくたって、別に構わない。


俺はもう、家族とは縁を切ったんだ。


だから、高望みなんてもう絶対にしない。




近くに大切な人がいてくれれば。


俺の大事な仲間が─────咲希、隼、井上がいてくれれば。


俺はそれだけで十分なんだ。



だから俺は、今できることを俺の手で─────。


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