光ることを忘れた太陽。
先生の知らせ
《咲希side》
「ほら、もっと声出してー」
パン、パン、と手を叩く音。
そして、教室中に響く歌声。
そう、あと1日でなんと……卒コンなんです!
だから、私達も張り切って歌の練習中。
そして藤野先生も……生徒と同じくらい楽しみにしているらしく、すごい勢いで指揮棒を振っている。
そんな先生につられて、私達ももっと声を出す。
その様子を見て、私達に期待と喜びの視線を送る人達もいて。
本番じゃないのに涙が出てきそう。
「これで練習を終わります」
「終わります!!」
歌の練習が終わって、教室に戻る途中。
「……明日、楽しみね」
そう呟いた藤野先生の言葉を、私は聞き逃さなかった。
明日、何があるのかな?
卒コン以上に楽しみなこと?
藤野先生にとって嬉しいこと?
そんなの、想像もつかないよ。
一体何が待ってるっていうんだろう?