光ることを忘れた太陽。
◇◆◇
そんな疑問を抱えたまま、卒コン当日を迎えた。
朝から、緊張した空気が教室に漂っている。
普段の明るい教室とは一変、堅苦しい空気が流れる。
なんだか、居心地が悪い。
でも、今日が最後のイベントなんだよね。
それなら私が、私達が。
先生にも親にも、心に残るものを見せなきゃ。
そう決意した私だった。
そして、いよいよ始まった卒コン。
もう親達は集まっていて、騒がしさがステージ裏にも聞こえてくる。
でも、頑張るんだ。
私達は、この6年間の思い出を伝えるだけなんだから。
落ち着かない鼓動を静かにさせようと深呼吸していると。
「咲希!」
「尚」
急に呼びかけられ振り向くと、そこには尚が立っていた。
走ったのかわからないけど、少し息があがってる。
急がなくても私はここにいるのに。