光ることを忘れた太陽。
「落ち着いて、頑張れよ」
「尚もねっ」
そう、実は私……ソロで歌う場面があるんです!
1番盛り上がるところだから失敗しないかどうか心配だけど……。
きっと、大丈夫だよね。
だって、隣には尚もいるから。
尚も一緒にソロで歌うから、お互いに緊張してるはずなのに。
私にも気を配ってくれたんだ……。
そう思うと、なぜだか頬が熱を帯びてきた。
尚は歌が上手でかっこいいから選ばれたらしいけど……。
私はなんでだろう?
決めたのは先生だからよくわかんないけど、期待に応えなきゃ。
そして、絶対に成功させるんだ─────。
1曲目、2曲目、親とのコーナー……と順に過ぎていき、あとは私達のソロと全体合唱だけとなった。
「咲希、大丈夫だから」
「うん」
緊張するけど、頑張ろう。
だって、1人じゃないんだから。