光ることを忘れた太陽。
5章
想いを今
《尚也side》
「尚ーっ」
「おはよ。咲希」
俺は今、咲希と一緒に歩いている。
これから登校するところだ。
「いよいよ、明後日だな」
「そうだね……」
そう、卒業まであと2日。
今日は3月14日。
わかる人には、なんの日かわかるよな?
俺達がなぜ一緒にいるかというと……。
それは、さかのぼること1時間前─────。
◆◇◆
『ふぅ、いい朝……』
今日もよく眠れなかったけど、いい目覚めだった。
今日にふさわしい天気で良かった。
でも、体があんまり動かねーな。
……まだ寝てんのかな、咲希。
早く、会いたいな。
これから俺は咲希と会う約束をしている。
もちろん、学校前に。
咲希と2人きり、か。
緊張するけど、ここで頑張らないとな。