女王様は憂鬱(仮)
第1章 女王様は不機嫌
*
思えば、子供の頃から何かと同性に敵対視されていた。
特に何か怨みを買うような真似をした覚えはないけれど、この容姿と態度が、彼女たちの『何か』を刺激するらしい。
それは、大人になった今も変わっていない。
「あんた、ムカつくんだけど」
十二月のオフィスは何かと落ち着きがない。
ましてや、金曜日となれば尚更だ。
今日はいつもより早く出社して仕事をこなし、定時と同時にPCの電源を落とした。
周りに挨拶をし、急いでフロアを後にする。
そして化粧室で簡単にメイク直しをしていると、それを見計らったかのように同僚の川北美奈子が入ってきて、先程の怨念篭った台詞を吐いたのだ。
「この忙しい時に、空気読まずに定時上がりで男とデート? 優遇されてる女はいいわよねぇ〜」
もともとツリ目気味の目を更につりあげ、川北は更に続ける。
「何とか言ったら? ナンバーワンだかなんだか知らないけど、いつも好き勝手しすぎなんじゃないの? 営業成績がいいのだって、どうせその見た目と身体で汚い手使ったんでしょ!? 顔だけ女なくせに、何であんたばっかり……っ! 何で真面目に仕事してる人間が損するのよ。運だけで、適当に仕事してるあんたが評価されるなんて、おかしいでしょ!? 男の目は騙せても、女は騙されないんだから!!」
思えば、子供の頃から何かと同性に敵対視されていた。
特に何か怨みを買うような真似をした覚えはないけれど、この容姿と態度が、彼女たちの『何か』を刺激するらしい。
それは、大人になった今も変わっていない。
「あんた、ムカつくんだけど」
十二月のオフィスは何かと落ち着きがない。
ましてや、金曜日となれば尚更だ。
今日はいつもより早く出社して仕事をこなし、定時と同時にPCの電源を落とした。
周りに挨拶をし、急いでフロアを後にする。
そして化粧室で簡単にメイク直しをしていると、それを見計らったかのように同僚の川北美奈子が入ってきて、先程の怨念篭った台詞を吐いたのだ。
「この忙しい時に、空気読まずに定時上がりで男とデート? 優遇されてる女はいいわよねぇ〜」
もともとツリ目気味の目を更につりあげ、川北は更に続ける。
「何とか言ったら? ナンバーワンだかなんだか知らないけど、いつも好き勝手しすぎなんじゃないの? 営業成績がいいのだって、どうせその見た目と身体で汚い手使ったんでしょ!? 顔だけ女なくせに、何であんたばっかり……っ! 何で真面目に仕事してる人間が損するのよ。運だけで、適当に仕事してるあんたが評価されるなんて、おかしいでしょ!? 男の目は騙せても、女は騙されないんだから!!」