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……いまになって、あの日のことを思い出す。

なんであいつは、あんなことをいいだしたんだろうって。



「なんで私が、可愛くないっていうの!?」

「だからー、そういうところじゃない?」
 
一気に飲み干したビールジョッキを机の上に叩き付けるように置く。

へらへら笑ってる達巳(たつみ)にかちんときて睨み付けてやったけど、
奴は全然堪えてないのか人を食ったようにへらへらと笑い続ける。

「今度はどれくらい続いたんだっけ?」

「……一年」

「意外ともってたんだー」

「うっさい」
 
むかつくことしかいわない達巳に、手近にあった枝豆の殻を投げつけると、新たに届いたジョッキに口をつけた。

「いたっ。
大体、ジービジのあんたに彼氏ができるだけで奇蹟ってもんでしょうに」
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