溺愛妖狐ひろいました
「あの、遊佐先輩!」
部長の元から離れ、丁度昼休憩のため、フロアを出る。
先を行く遊佐先輩を呼び止めた。
「あの、よろしくお願いします!力不足だと思いますが、精一杯・・・」
「御託はいい。仕事で見せろ」
「は、はい」
ぴしゃりと言い捨てられ私はなにも言えなくなる。
頑張らなきゃ。
「あの、手のことも・・・。何か、手伝えることあったら言ってください」
「別に左手だし、痛みも少しは治ってるから平気」
「そう、ですか・・・」
なんだか、冷たい・・・。
前からこんな感じだったような気がするけど、いつにも増して・・・。
一緒の仕事・・・先が思いやられる。
足を引っ張るわけにはいかない。
気合を一層強めた。