溺愛妖狐ひろいました


自分の思考回路が情けないほど後ろ向きで。
小さくため息を吐くと帰ろうと一歩歩き出す。



俯いて歩き出すと、足元が水とは違う色の何かが流れているような気がした。



街灯からは少し離れたその場所。
目を凝らすと、まるで血のように見える。



「え・・・?」



ぞっとしながらその根源を探すと小さな物体が横たわっているのが見えた。
な、なに・・・?
恐々と覗き込むと、それは動物のようだった。

体中傷だらけで血を流している。
怪我をしている様だった。



動物といってもこれは、・・・犬・・・ではないし、なに、口が尖っていて・・・、狐・・・?




狐なんてこんなところにいるの?
初めて見た・・・。

え、え、どうしよう。
凄いケガだけど・・・。
なにか罠にでも引っかかったのかな?
こんな街中で?



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