溺愛妖狐ひろいました
「亜子、遊佐先輩と組むんだって?」
「・・・もう知ってるんだ」
「うん。噂っぽくなってるよ」
「え・・・」
そのまま昼休憩に行くと、先についていた秋穂と合流してご飯を食べ始めた頃秋穂にそう切り出された。
噂って・・・。
「飴と鞭の二人って、金田先輩と遊佐先輩二人のことを皆が言ってるの知ってる?」
「・・・昔、そんな事言ってる人がいたの聞いたことがあるかも、そう言えば」
優しい金田先輩と、厳しい遊佐先輩。
二人が合わさると、所謂飴と鞭だとうまいこと言っている人がいた。
「遊佐先輩と組まされると、結構厳しくて泣いてる女子社員とかいるみたいだしさ。そんな先輩とまさか亜子が組むことになるとはね」
「仕事に熱心ってことだとは思うけど・・・、だからその分、足を引っ張りそうで怖いな・・・」
「仕事への姿勢は、確かに上も評価してるよね。愛想悪いけど」
「はは・・・」
冷たく厳しいことを言うけど、優しさもあるって思ってたんだけどな・・・。
今日の態度を見るまでは。