溺愛妖狐ひろいました
「で。雨宮はなんでこんなところにいるんだ?」
「え・・・、私は・・・。私も、気分転換です」
「気分転換ね・・・」
私は顔をそむけ、金田先輩の視線から逃れる。
会いたくなんてなかった。
こんな、情けないところ見られたくなんて・・・。
「あいつのせいか?」
「え・・・?」
「浩。あいつと、イベントの仕事組むことになったんだろ?」
「そ、それは・・・」
金田先輩、遊佐先輩と仲いいもんね。
遊佐先輩から聞いてるのかな・・・。
私が使えないって。
「あいつ、言い方きついしオブラートに包むってことを知らないからさ。誰に対してもそうだし。でも、仕事に関して責任感あって、人一倍努力家だし、悪いやつじゃないんだよ」
「・・・はい」
「誤解されやすいやつだけど、仕事のやり方は誰よりもうまいし、一緒に組めばすごい勉強になると思う」
それは、わかる。
遊佐先輩の仕事ぶりをここ数日側で見て、無駄がないなって思った。
指示はいつも適格だし、指摘されることももっともだって思う事しかなかった。