溺愛妖狐ひろいました
こ、こういうのって、なに、警察?
役所とか、施設・・・、その前に動物病院?
犬や猫とは違うし、でも、このまま放っておいたら確実に死んじゃう。
そんなの、可哀想だし・・・。
でも、無闇に助けない方がいいのかな・・・。
「悩んでも仕方ないよね」
なんでこんなところにいるのかはわからないけど。
迷い込んできたのなら元いた場所に返してあげたいし。
簡単な手当てしかできないけど、ここに雨に晒しておくよりは絶対マシ。
こんなところで発揮されるお節介な性格。
私はいったん傘で雨を塞ぐと、家からブランケットを持ってきた。
狐を包むようにして抱きかかえると急いで家に向かう。
お湯を沸かし、タオルを濡らすと血だらけの身体を優しく拭った。
ところどころ血が止まっている怪我もあって、とりあえず血が止まっていないところから止血をしてガーゼを貼った。
一通りの手当てを終えると、タオルを敷き詰めベッドを作り、そこに狐を寝かせた。