溺愛妖狐ひろいました
「おい、雨宮。行くぞ」
「あ、はい!」
今日は、遊佐先輩と接待に出かけることになった。
私が提案したプランの案がようやく通って、それを実現するためにプランで使いたい旅館の支配人の人たちとの食事会が開かれることになった。
それは、仕事は関係なく個人的な食事会という話だけど、仕事相手ってことで悪い印象を与えるわけにはいかない。
そういう接待に参加したことなんて今まで一度もない私は、緊張に重なる緊張に、心臓が爆発しそうだ。
恰好変じゃないかな。
さっき化粧室で化粧は念入りに直した。
「あの、この格好で大丈夫でしょうか」
「あ?営業かけるわけじゃない、一応は個人的な飲み会だから。あまり固くなりすぎるなよ」
「は、はい」
「でも、粗相はするな」
「肝に銘じておきます・・・」
でも、お偉い方と個人的に飲みに行けるなんて、やっぱり遊佐先輩ってすごい。
仕事関係の人脈がすごいってこと、ここ数日で思い知った。