溺愛妖狐ひろいました
★寂しさの限界
「ごめんね、ミコト・・・」
抱きついてきたミコトを宥めるように頭を撫でる。
ミコトは、ギュッとしがみ付いた後勢いよく顔をあげた。
「亜子、お風呂!」
「あ、う、うん」
叫ぶようにそう言われ、きっと匂いのせいだと確信する。
きっと今日はお酒の匂いとかいろいろついてしまっているだろう。
匂いに敏感なのに、可哀想なことしちゃった。
お酒抜けきってないし軽くシャワーにしよう。
「ごめんね、すぐ入って着替えてくるね」
「・・・ん。亜子、なんでフラフラしてる?」
「え?あ、・・・お酒飲んできたから」
「しんどい?」
「ううん、だいぶ抜けてきてるから大丈夫だよ」
心配、してくれてるんだな。
寂しそうなミコトの表情。
寂しい思いさせてしまったよね。
私は急いで着替えを持ってお風呂場に行った。
今日は、いろいろなことがあった。
初めての接待。
そして失敗・・・。
それから先輩の意外な一面。
私が飲まされても、なにされても、仕事だからって斬り捨てるタイプかと思ってた。
仕事に関してはとても厳しい人だし。
意外だったな・・・。
私の事、本当に心配してくれている様子だった。
責任も感じさせてしまったし。
明日、改めて謝ろう。