溺愛妖狐ひろいました
「ミコト・・・?」
お風呂から出て、軽く髪も乾かした後リビングに向かう。
ミコトは、ソファに蹲っていた。
「ミコト・・・」
「・・・一人は嫌だよ」
「ミコト、ごめんね・・・」
「ずっと静かで、どんどん暗くなるし、亜子って呼んでも返事ないし・・・おれ・・・おれ・・・」
ポロポロと泣き出したミコトに胸がキュッと締め付けられる。
こんなにも、寂しい思いをさせちゃったんだ。
「おれ・・・捨てられたのかと思った・・・」
「捨てるなんて、そんなことしないよ。ごめんね、こんなに遅くなるはずじゃなかったの。寂しい思いさせてごめん」
一人ぼっちで心細かったよね。
こんなに一人にさせたこと、今までなかったもん。
「・・・おれもごめん。我儘言って・・・」
「ううん。いいの。思った事、ちゃんと言って」
「・・・うん」
ミコトの頬に流れる涙を手で拭ってあげる。
安心したように頬を寄せた。