溺愛妖狐ひろいました
「亜子、一緒に寝たい」
「・・・え」
「だって亜子、起きたらまた行く。亜子がいる時くらい、側にいたい」
なにを言い出すのかと思ったら・・・。
そんな子犬みたいな瞳で縋るように見られたら断るなんてできないじゃないか。
「う・・・、今日だけ。今日だけだからね?」
「うん!」
ミコトの想いに根負けし私はそう頷いていた。
明日も仕事だし、お酒もぬけてない。
悩んでいるうちに早く寝なくちゃ。
「じゃあ、もう寝よっか」
「・・・うん」
素直に私に従いついてくる。
こういうところ、ものすごく可愛いって思ってしまうんだけどな。
ミコトの気持ちって、本当に恋愛のそれなんだろうか。
ミコトの気持ちを聞いてからも、ふとそう思う。
疑うわけじゃない。
でも、側にいてくれる誰かが欲しいんじゃないかって。
ひとりを異常に嫌がることとか。
寂しがり屋なとことか。
このお願いも、保護者的な感覚で認めちゃったけど・・・。
もし、本当にミコトがそういう気持ちで私を思ってくれてるのなら私は、ちゃんと断らないといけないよね。
ミコトに変な期待をさせてしまうってことだもの。