溺愛妖狐ひろいました
「ミコト、楽しかった?」
「うん!すっごく楽しかった!人間のすること、変な事多いけど、すごいって思った」
「変な事・・・」
ミコトの発想がおかしくて笑ってしまう。
妖怪からはそう見えるんだ。
「おれ、もっといろいろしたい。できるようになりたい!」
「うん。そうだね、料理も、ハンバーグだけじゃなくていろいろあるし、少しずつ一緒に練習していこっか」
「うん!亜子と一緒なら、なんでも楽しい!おれ頑張る!」
張り切るミコトを見て、仕事で認められた時の自分を思い出した。
出来るようになることって、嬉しくて満たされるんだよね。
だからもっと頑張って、もっと認められたくなって。
なんだ。
私もミコトも一緒だね。
「私も、頑張るね」
「ん?亜子はいっつも頑張ってるよ」
サラリとなんのこともないように言われた言葉に、私は目を丸くする。
何気ない言葉に、私はものすごく胸が暖かくなった。