溺愛妖狐ひろいました
それでも、私という人間と共に暮らす中で、何か欲しいものでもできたんだろうか。
欲しいものがあるなら、言ってくれたら買うのに。
あまりに高額なものは少し考えるけど・・・。
「なにが欲しいの?」
「すまほってやつ!」
「す、スマホ?」
出てきた予想外の回答に私は驚いた。
まさか、欲しいものがスマホだなんて。
現代っ子な妖狐だ。
「なんで、スマホなんか。家には固定電話あるし、私と連絡取りたかったら使い方は教えたでしょう?」
「うん・・・でも・・・」
もしかして、私以外に誰かと連絡取りたい人がいる・・・?
人間とは私としか関わりないんだと思ってたけど。
ミコトの交友関係って知らないんだった。
他にミコトの事が見えて関わりのある人間がいてもおかしくないよね。
見えなくても、ミコトは人間に姿を見せることはできるんだし・・・。
そう思うと、なんだか胸がちくりと痛んだ。
なんで・・・?