溺愛妖狐ひろいました


「電話に出れなくても、スマホってやつあったら・・・文字でやり取りできるんでしょ?」

「え?あ、まぁ、そうだね。電話より気楽にやり取りできるかな」

「おれ、亜子ともっと話したい。亜子がいない時も、ずっと電話してたいけど・・・。でも、亜子お仕事って言ってたから」

「わ、私・・・?」

「だから、おれがスマホってやつもったら。もっとたくさん亜子と話せると思って」




私と、もっと話したいから・・・?
確かに、私が仕事に行っている間はあまり電話は取れないって言ってる。
仕事が遅くなるときに私から連絡を入れるくらいだったけど。



「おれ、人間の事もっと勉強する。字も覚えるから。亜子ともっと居たい」

「ミコト・・・」



そんな風に言われて、嫌な気持ちになるわけない。
むしろ嬉しくて。



「でも、働くって言っても、ミコトは身分証とかもないし・・・。それに、そこにはたくさん人間がいるのよ?」

「わかってる」

「妖狐ってばれたらいけないし。ずっと人間に姿を見せておかないといけない。それって力をすごく使うんでしょう?」




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