溺愛妖狐ひろいました
「亜子の事が、好きだから」
真っ直ぐ、なんのブレもなくそう言われる。
ストン、と真っ直ぐ私の胸に届いたその言葉に私はトクントクンと胸を鳴らした。
きっとただ、拾った私に懐いているだけ。
必死にそう自分に言い訳をして見ても。
真っ直ぐすぎるミコトの想いにいつだって心は揺らされて。
満更でもない、なんて思いに気づいたら・・・。
私はどうしたらいいのだろう。
「で、でも、本当に。身元がはっきりしないミコトを雇ってくれるところなんて、ないかもしれないよ?」
「うん」
どこもダメだったら、諦めてくれるだろうか。
諦める・・・。
働くことを?
私のことを・・・?
なにを諦めてほしいんだろう。