溺愛妖狐ひろいました
多分、私の紹介だったから大目に見てもらえたっていうのも大きいと思うし。
会社の計らいに失礼なことできない。
「わかってる。おれ、頑張るから・・・、だから怒らないで、亜子」
「・・・怒ってないよ。私もサポートするから頑張ろうね」
シュンと耳を下げながら落ち込むミコトに、私は弱い。
だめだと思いつつ、つい許してしまうのだ。
「とにかく、スーツ買いに行こう。それから、常識的なことを一通り教えるし、仕事の事も教えるからちゃんと覚えてね」
「うん!」
すっかり機嫌が直ったミコトは、嬉しそうに耳を立てニコニコと笑ってる。
本当に、大丈夫なんだろうか。
ミコトが働き出すのは1週間後から。
それまでに叩きこめることは一通り叩き込んでおかなくちゃ。
私とミコトのみっちり個人レッスンだ。
でも、ミコトは意外にも呑み込みが早くおぼえも早い。
きっと頑張ってるんだろうけど、これなら猫の手くらいにはなれそうだ。