溺愛妖狐ひろいました


休みの日の朝。
ひどく寒くて目が覚めた。


もう二月も終わる。
なかなか暖かくならない。




「亜子、おはよう」



リビングに行くと、ソファで毛布にくるまったミコトが迎えてくれた。
いい加減、ミコトにも寝る場所を作ってあげないといけないかなと思いつつ、相変わらずソファで寝起きさせてしまっている。




「おはよう。寒いね。暖房つけてもよかったのに」

「んー。おれ、寒いのきらいじゃないよ」

「そうなの?」




ミコトの新しい発見。
でも見れば、普段はしまっていることの多い尻尾が出ていてそれを身体に巻きつけるようにしている。
寒いのは寒いんだな・・・。

ああ、モフりたい・・・。



ふかふかの毛並みにその衝動が湧き上がってくる。





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