溺愛妖狐ひろいました
でも、どうしたら――――――。
どうしよう、と路頭に迷っていたその時、スーツのポケットに入れていたスマホが震える。
ビクッとして取り出して画面を見ると、そこには遊佐先輩と表示されている。
遊佐先輩!?
なんで・・・。
「も、もしもし」
――あ、出た。お前どこいんの。もう休憩終わってんだけど
「あ、すみません・・・。その・・・。なにか用でした?」
相変わらずの口の悪さ。
――お前さ、この間のイベントの時かこの資料読み込んでたよな?
「あ、はい。ある程度は」
――探してほしい資料があって。どこに入ってるかわかんなくて困ってんだよ
「はい。私が覚えているものだったら・・・」
――助かる。じゃあ、今からいうから、それが入ってる資料をとってきて・・・
「あ、ご、ごめんなさい・・・。ちょっと今・・・」
仕事を任されそうになって慌てて制止する。
こんな状況じゃ出られないし、仕事にも戻れない。
でも、いつまでもそんな事言ってられないし・・・。
「あの、遊佐先輩・・・。迷惑を承知で頼みが・・・」