溺愛妖狐ひろいました
その憤りを、私だけに向けてくれたらいいけど・・・。
もし、他の人に迷惑がかかったら・・・。
とばっちりで誰かが傷ついたらどうしよう。
最初は、尊の事が好きな子かと思ってた。
でも、この手紙には遊佐先輩の名前もある。
どちらの事を想ってる人なんだろう。
それとも両方・・・?
震えそうになる身体を必死に抑える。
尊は、私の変化に鋭いから。
気づかれるわけにはいかない。
でも、ここに名前が出た以上、遊佐先輩にももう頼れない。
相手を刺激したくない。
それに、エスカレートしている以上は、これ以上迷惑をかけれない。
「雨宮」
「・・・っ、はい」
遊佐先輩の声に、ビクッと肩を揺らす。
関わらないように、そう思ったとたん・・・。
「お前、大丈夫か?」
「え?なにがですか?」
「昨日の・・・」
こんなところで蒸し返さないでほしい。
私は青ざめ首を横に振った。