溺愛妖狐ひろいました
次の日の朝。
憂鬱な気持ちでスーツに袖を通す。
そう言えばと思い出してスーツのポケットに手を入れると、そこにいれたはずの手紙がなくなっていた。
「え・・・どうして・・・?」
確かにポケットに突っ込んだはず。
その後は取り出す気になれず、そのままにしていて。
昨日遊佐先輩に助けてもらった時にでもポケットから落ちてしまったんだろうか。
だとしたら、遊佐先輩に見られたり・・・。
どうしよう。
「おはよう、亜子」
「あ、うん。おはよう・・・」
「亜子、どうした?元気ない?」
「ううん。そんなことないよ」
尊の前では笑ってないと。
そう思ってにこっと笑った。
「・・・亜子。大丈夫だからね。おれが、いるから」
「え・・・?」
尊はそう言ってにっこりと笑うと私の頭を撫でた。
尊?