溺愛妖狐ひろいました
医務室に連れられて、あとからやってきた遊佐先輩がもってきてくれた着替えに着替える。
その頃にはようやく私の心も落ち着いていた。
「・・・ごめんなさい。遊佐先輩も、付き合わせてしまって」
「いや。そんな事言ってる時じゃないだろ」
着がえてカーテンを引き姿を見せると、相変わらず尊と遊佐先輩の間に流れている空気はギスギスしていて。
それは尊から一方的に発せられているものだからこそ、申し訳なく思う。
「お前さ、全部正直に話せ」
「え・・・」
「なんか、あるんだろ。俺には言い辛いこともあるだろうし、千葉とかに話してるならいいかと放っておいたけど、お前、話してないんだろ」
「それは・・・」
「こんな悪意のある手紙自体、おかしいだろ。この前、お前がトイレでびしょ濡れになってたことと関係があるのか」
遊佐先輩は、少し怒っている様子で厳しい声色で追及してくる。
ここまでばれていて、隠し通すことなんてできないことはわかってるけど。
それでもまだ、巻き込みたくないって想いは消えない。