溺愛妖狐ひろいました


「現実見ろよ。これだけ立て続けに起きてるんだ。鉢植えなんか、一歩間違えたら怪我どころじゃすまねぇぞ。わかってんのか」

「・・・わかって・・・」

「わかってねぇだろ!バカか」



遊佐先輩の怒号に身体が震えた。





「・・・ねぇ。これも、関係ある?」

「そ、それ・・・」





黙って聞いていた尊が一枚の紙を取り出した。
それは、私がなくしたと思っていた昨日デスクに置いてあった紙。




「おれ、まだ字勉強中だからほとんど読めなかった。でも、俺のミコトって字があった。亜子のスーツのポケットに無造作に入れてあって気になったからとってた」

「字の勉強中って・・・お前、字読めねぇの?」

「うるさい。遊佐に関係ない」

「お前、仮にも先輩だからな」




相変わらずの尊の態度。
遊佐先輩は呆れながらもミコトからその紙を受け取り読み始める。




< 239 / 380 >

この作品をシェア

pagetop