溺愛妖狐ひろいました
「現実見ろよ。これだけ立て続けに起きてるんだ。鉢植えなんか、一歩間違えたら怪我どころじゃすまねぇぞ。わかってんのか」
「・・・わかって・・・」
「わかってねぇだろ!バカか」
遊佐先輩の怒号に身体が震えた。
「・・・ねぇ。これも、関係ある?」
「そ、それ・・・」
黙って聞いていた尊が一枚の紙を取り出した。
それは、私がなくしたと思っていた昨日デスクに置いてあった紙。
「おれ、まだ字勉強中だからほとんど読めなかった。でも、俺のミコトって字があった。亜子のスーツのポケットに無造作に入れてあって気になったからとってた」
「字の勉強中って・・・お前、字読めねぇの?」
「うるさい。遊佐に関係ない」
「お前、仮にも先輩だからな」
相変わらずの尊の態度。
遊佐先輩は呆れながらもミコトからその紙を受け取り読み始める。