溺愛妖狐ひろいました
「ミコトくんだけに飽き足らず、遊佐浩一さんにまで手を出す最低女!身の程知らず!・・・は?なんだよこれ」
それを読み、遊佐先輩は一層顔を強張らせた。
「お前、なんで早く言わなかった!」
「だって、言えるわけないです。先輩たちに迷惑や心配かけるのわかってて」
「そんな事気にする時か!少なくとも、俺やコイツは関係あることだろうが!」
「関係なんて!勝手にその人が二人の事をあげてるだけで!先輩たちに落ち度なんて」
「落ち度はなくても、関係ないことはないだろって言ってんだよ!その結果、お前ここまで追い詰められてんじゃねぇか」
だって、どうすることもできない。
相手の姿は見えなくて。
誰にも頼ることできなくて。
頼りたくもなくて。
それでも、恐怖は私を追いかけてきて。
どうしようもなくて。
「この手紙からも、今日のあの手紙からも。同じ人間の匂いする」
「え・・・」
尊がボソッと呟いた。