溺愛妖狐ひろいました
「でも、なんでそれ・・・」
「さっきの騒ぎで亜子たちがいなくなった後、青ざめた顔してたから、誰かがツッコんだのよ」
「へぇ」
「そしたら、あれを置いたのは自分だって。でも中身はなにかは知らなくて、頼まれておいただけだって白状して」
知らずに置いたものがあんなもので、こんな騒ぎになったら驚くだろうし、怖くなるよね。
正直に話してくれたなら、私は伊達井くんにはなにを思う事もない。
「心配かけてごめんね。仕事にもどろっか」
「うん。頑張ろう」
秋穂は自分の持ち場に戻り仕事を始めた。
落ち着いて、人間の姿に化けれるようになった尊が戻って来たのを確認すると一緒に遊佐先輩のところにいった。
ちゃんとお礼を言わないと。
「遊佐先輩。さっきはほんとうにありがとうございました」
「あ?ああ。まぁ、世の中には変な奴もいるからな。変なところで恨みかったり妬まれたり。仕方ねぇんじゃね?」
「ありがとうございます。先輩がとめてくれなかったら、きっと大変なことになってました」
私じゃ止められなかった。
先輩がいてくれてよかった。