溺愛妖狐ひろいました
「別に。俺がムカついただけだし」
「それでも・・・」
「遊佐の事は嫌いだったけど。遊佐のおかげで亜子をあれ以上泣かせずすんだ。・・・ありがと」
尊が遊佐先輩にお礼を言うなんて。
少しは仲良くする気になったならいいけれど。
「お前、ほんと馬鹿正直だな」
「なにが」
「てか、お前変なやつだな。匂いで犯人見つけるなんて。どんな嗅覚してんの」
ほんと、そこは私もビックリした。
嗅覚鋭いのは前々からわかってたけど、ここまでとは。
「遊佐が鈍いだけ」
「いやいや、違うだろ」
尊の遊佐先輩への軽口は変わらないらしい。
でも、先輩もあまり嫌そうには見えないし、礼儀としてちゃんとした方がいいのはいいんだろうけど、これはこれでいいのかな。