溺愛妖狐ひろいました
「ほら、さっさと仕事に戻れ。お前、時給発生してんだからな」
「わかってるよ」
押し返されるように仕事に戻される。
尊もさっきまでのギスギスした感じもなく、いつもの尊に戻れたみたい。
ホッとする。
「じゃあ、尊。仕事終わってからね」
「うん!」
この無邪気な尊をなくしたくない。
もう、余計な怒りの感情で、尊の心を揺らしたくない。
それは、私の願望で。
ただの、私のエゴで。
どうか、どうか、と。
願うばかりでなにをすればいいのかなんてわからないのだ。