溺愛妖狐ひろいました
モヤモヤした気持ちを抱きながら目的のコンビニで朝ご飯を調達。
軽く甘いものも購入した後家に急いだ。
「ただいま」
「おかえり!亜子!どこ行ってた?」
玄関を開けるや否や飛び出してきた尊。
すっかり見慣れた光景に思わず吹き出しそうになりながら尊を押しやるように中に入った。
「コンビニ。朝ご飯、パンでもいい?」
「ん。おれは、なんでもいー」
「ありがとう」
私に引っ付くように腰に巻きついた手。
尊を連れながら中に入る。
「・・・」
「・・・?尊?」
スンスン、と臭いを嗅ぐような音。
嗅覚の鋭い尊だから、なにか匂うのだろうか。
時々、ドキッとする。
臭かったらどうしようって。
「ん?ん―ん」
それでも尊は、そう言うとクシャッと笑って私に抱きついた。